朝早くに神社に来た彼。その彼を見て抱きしめたくなったのは仕方ないと思う。
たった齢7つの時から、里を裏から支え、火影とともに里を背負い続ける彼。
その身に神を宿しながら、何も知らぬ人に疎まれ拒否され存在を亡き者にしようとする輩から狙われる彼。
これが先代の神子の時代だったら彼や他の神子は疎まれずに済んだ。むしろ、その身に神を宿していると言うだけで尊厳の対象のはずだった。
先代の神子や、先々代の神子が居なければ、木の葉に今ある忍びの家系の多くが存在しなかったと言うのに・・・。
だが、時代は変わった。先代から200年弱、先々代から数えると350年強。これだけの年数が人を変えるか・・・
このことを伝えられる家系の多くの人間は知らない。時の神子と交わってできた己の先祖を・・・。
さらに多くの人はもっと知らない。今存する神子が木の葉を支えてきた事実を・・・。
中枢に属すということ 6
早朝7時15分。風流は妻に「客人がきているわ」と起こされた。
「こんなに朝早く誰が来るのか」と思ったが客人の名前を聞いて、納得する。長期間彼とともに任務をこなしてきたし、自分が引退してからも、たびたび訪ねてきてくれる彼。しかも、ここ最近神聖な土地である杜がざわついているからして里で何かが起ころうとしているのだと判断する。
客間に着くと、案の定ナルトが座って待っていた。心なしか心労がきているのかもしれないと風流は思った。
「朝早く来て申しわけない。風流に、否、桜月に頼みがある」そういって、ナルトは頭を下げた。
「頭を上げてください。ナルト君。君のことだからここの神域のことでしょう?」そう、穏やかな口調で風流は返した。「ここの神域は瑠紗那<るしゃな>様や他のかたがたが過ごされる地。瑠紗那さまのお許しさえあれば、多少の穢れは致し方ないですよ。」
やはり、元暗部大隊長桜月は、こちらが情報を与える前に、多少感づいていたか・・・。ナルトは内心舌打ちしながらも、その頭脳は一線を離れても衰えていないことに安堵する。
「やはり気づいておられたか・・・・。俺も精進が足りないな。」そう、言って本題に入る。とにかく里の状況と、ここの神域では二十重以上の結界を張ることにしたことを伝えると、「分かりました。こちらも、援護の結界は張りましょう。瑠紗那様たちのチャクラをあんまし無駄にはできませんからね」と自らも策の追加をした。
そうして数分後、「そういえば、朧君(サスケのこと風流は朧君と呼んでいる)里に帰ってきてたんだね。数日前にこっちに顔見せに来たんだよ。」と急に風流が話を変えた。
「半年ほど前に・・・。こちらも報告が遅くなってすいません。」とナルトは返す。
思えば、風流は自分にとって父代わりだった。アスマと風流、そして、イルカは、まだ1歳という幼子だった俺に人とは、忍びとは何たるかを体張って教えてくれた。
その時にはもう、体内に封じられている瑠紗那とは和解して彼の知識も得ることができるのも功をそうした。
そして3歳になり暗部に入るようになり、父が暗部時代に名乗っていた「瞬夜」を拝命した。今は特別上忍としてまたは上忍として動くゲンマたちとも知り合った。そして、同じ神子のシカマルや、4歳で神子になったキバとも・・・。5歳になった頃、サスケやイタチも入ってきた。
そして6歳の頃今の月組の原型ができた。風流たちにとってはもう、第2の我が子と同じようだったんだと思う。里に疎まれる存在だったが、彼らは自分にとって家族だと言える存在だ。
そして、その場を作ってくれた祖父である三代目にも感謝している。実の祖父として、また里長としてできうる限りのものを与えてくれた。忙しい身だったから、そんなに長時間一緒に居れた思い出はあんましないけど・・・。
不意に黙り込んだナルトに風流は声をかけた。「どうしたの??」
「俺、こんなに恵まれていていいのかなぁ? 俺の周りには仲間が居る。サクラも居る。なんか恵まれてるなぁっておもって・・・。」
そんな答えが返ってきた。齢7つから里の中枢で過ごしてきた彼にとって今の状況は恵まれているに入るのだろう。ここまで来るのにどんなに苦労したか・・・。里のお堅い長老会にはまだ彼を排除しよう、と言う動きがあると言う。里の民衆の中にもまだ居る。そんな中で自分が恵まれてるなんて・・・。
とっさに風流はナルトを抱きしめたくなった。
微妙に過去が混ざってます。1話で出てきた桜月さんは風流さんです。実は奥さんのモモカさんも旦那が暗部だったことを知っています。
そして、サクラが今暗部だと言うことも・・・。でも娘が暗部だと自分から言わない限り黙ってます。それが忍びの掟ですから・・・。次はう〜ん、客間から出たナルトとサクラがばったりかな??
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ナルト 小説 置き場
それでも僕らは里を・・・。小説 中枢に属すということ 7