箱のことが終わった。

創主たちとの戦いはようやっと終わりを告げた。
4千年もの長き時を超えて・・・。






それと同時に内部工作を進めていた両シマロンの崩壊と、各領主の独立も終わった。

後は、彼等を見守るだけ・・・。









それは、新たなる時代の始まり。

それは古き慣習をなくすための良ききっかけ・・・。













そして、作戦が失敗したときには死をという覚悟を決めたあのときから、この世界では幾度か時は廻り・・・。
俺はようやっと兄からの帰還命令を手にした。








ユーリ・・・。あなたは気づいてくれましたか??
















俺の言葉に出来ない想いを・・・。



















俺がいなくても王として成長してほしいと願い、あなたを慕う俺の想いを・・・。



















あなたは、気づいてくれましたか??





















































































聖砂国で、もし、コンラッドの思惑に気づかなかったら、ずっと俺は悩んでいただろう・・・。何故、彼があんなことをしてまで、眞魔国を出奔したのか・・・・・・。

彼は俺の理想に付き合ってくれた。自分の身に宿る血を使ってまで・・・。




でも、俺は気づいたとき何もいえなかった。










彼がこの作戦の成功に命をかけているのを俺は知ったから。










だから、謁見の間で、帰還の報告を受けるその時まで俺はあんたの無事を祈るよ。書類のサインをしながら・・・。






 それが、バカみたいにこの世界の平和を願う俺の想いを汲み取ってくれたあんたにできる唯一のことだから。






ねぇ、お願い。早く帰ってきて、俺に姿を見せて・・・。



俺を安心させて・・・。






















帰還





2学期の期末テストも終わり、有利と村田は久々に、ゆったりとした昼を過ごしていた。近所のファミレスの一室で・・・。
ここは、地球の魔王であるボブの一言で作られた場所で、地球産魔族の中でも一部しか知らない特殊な店だった。
何故かと言うと、一見普通のファミレスだが、従業員は全員ボブの身元保証つきの魔族だったから、有利や村田が勝手口(別名VIP専用入り口)から入って、食べたいものや飲みたいものを頼んでも、自由だからだ。(お金の心配は要らない。何故ならボブが払うから。)
また、そこの従業員用のシャワー室は、有利達にとってまたとない眞魔国への入り口だったから、行きたいときに好きにいけるのも便利だと有利たちは思う。
そして、本日も二人は行く気でシャワー室に入った。そして、蛇口をひねった途端・・・。


待ちに待った、でも、未だに慣れないスターツアーズ・・・。




出たところは眞王廟の噴水・・・ではなく、ユーリの私室の風呂場だった。
ここのところ、安定して眞王廟の噴水に出ていたのに、なぜ??と二人は思いつつ勝手知ったる脱衣所のクローゼットを開け、手早く服を着た。
眞王廟に行かなくても、双黒の大賢者の着替えがあるのは、日ごろからの備えあれば何とやらというところだ。

そうこうしているうちに、「へいくわぁ〜」と半ば奇声を発しながら駆けつけて来る王佐に捕まり、ユーリは執務室にて、前回地球に帰ってからの数ヶ月間のたまった執務を開始した。




そして数日たったある日、3日ほど前に宰相に任命したグウェンダルがふと、何かを思い出したように言った。

「陛下、近いうちにコンラートが帰還する」

それをグウェンダルの口から聞いたとき、ユーリはあまり取り乱さなかった・・・。もうすで聖砂国の一件で知っていたから。
「そう、ようやっと帰ってくるんだぁ・・・。」安堵したせいかそんな言葉しか出なかった。


その言葉で、ユーリが今回の大掛かりな作戦に気づいていたことがグウェンダルに知られた。
だけど、それはもういいことだとユーリは思った。

「知っていたのか?」
グウェンダルは怪訝そうにユーリの顔を見た。てっきりユーリが取り乱すかと思っていたらしい。
「知っていたというより気づいたというか思い当たったというのが正しいかな??」






そう、ユーリは、グウェンダルに言われるだいぶ前に気づいていた。
というのは、聖砂国でベネラたちと一緒に行動してたさいのコンラッドの行動の端々に、眞魔国やユーリへの想いが出ていたからだ。だから、気づけた。
もしほんとうに、眞魔国を、魔族を、ユーリを裏切ったならば、彼は即座に自分を殺すだろうと・・・。それぐらいはユーリでも気づく。彼の経歴からして自分を裏切ったなら、自分が抵抗するよりも早く殺されるほうが高いから・・・。

だから、あえて、ユーリはグウェンダルやヨザックの前でも気づかないふりをして過ごした。それが、魔王として国主としての判断だった。眞魔国を戦争に導かないための。

「あえて、渋谷が知らないふりをすることで、眞魔国が背後で動いていることを他国に悟られないように・・・。もし、これらの作戦が失敗しても眞魔国を出奔した混血の一人間の暴走で終われるように・・・。
それは、いずれ持たなければいけない、部下を切り捨てる覚悟だ。」

そう言ったのは4千年もの長き時を生きた大賢者で・・・。だから、ユーリも我慢したのだ。






そして、今日、グウェンダルから、コンラッドが帰還すると聞いた.
ユーリはようやっと、安心して寝れる。そんな想いを抱きながらその日の夜床に付いた。







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コンラート帰還話。  なのに、二人の独白が・・・長い。しかも、まだ帰還していない・・・。   by朝葉


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