最初は餓鬼のお遊びだと思ってたんだ
だけど、それは違った。
それを認識したのは高校に入るときだった。
その時にはツナはドンになるって決めていた。そうするしかなかったのかもしれない。
今思えば外堀はかなり埋められてたのだから。
俺は正直まよったさ。
野球を続けるかどうか・・・。ツナと一緒にいるかどうか・・・。
ツナは俺にとっても初めての親友だから。
結局、親友を選んで一緒にイタリアに渡り今はマフィアをやってる。
だけどそれは、俺にとって、最高の選択だと今でも思うんだ。
誘拐
2
「武、明日の朝一の便で成田へのチケットを」
ロンシャンとの電話を切った綱吉は即座に指示を出す。そして、ボンゴレの情報を統括しているハルと雲雀にも即座に指令を出す。ちなみに2人はイタリアだ。こっちが夜だと向こうはまだ、お昼を回ったところだ。
その顔はもうすでにマフィアのドンとしての顔で。山本も友人としてよりもボンゴレの幹部としての意識に切り替える。
トマゾと提携しているヤクザやチャイニーズ・マフィア等を思い出す。そういえば、並盛付近は、「一徹会」というヤクザのシマだったはずだ。表向き、情報通信企業として動いているから、奈々が人質になったのはそっちから情報を得たのか、たまたまなのか・・・。
それは吐かせれば済むこと。マフィアの幹部としてそれぐらいの技術はある。無論相手が吐かなくても、こちらが情報を得る方法はいくらでもある。
でも、日本ではそんなに、ドンパチやりたくないなぁ、っていうのが2人の本音だ。ヤクザの抗争に巻き込まれることははそんなに無かったとしても、中学時代からマフィアがらみのでいつもなにかしら、戦う羽目になっていたのだから
山本は、たしか、つい2週間前に見た奈々を思い浮かべる。綱吉がいつ帰るかを言わずに、イタリアに来てしまったために、息子が何をしているのかも知らない母親。自分もそうだ。父に何も言わなかった。
「もしかしたら、ツナのお母さんには知られるかもしれないな、俺らのこと。」
とりあえず、寝ようと綱吉が言ったとき、山本はそうこぼした。
一瞬間があった後、「そうかもしれないね。こんな形では知らせたくなかったけど・・・。でも、覚悟はできてるよ。もし受け入れてくれなかったとしても、それは仕方が無い。だって、母さんは堅気の人だからね。俺等や俺の父さんの世界は拒否されても仕方ないよ。」
そう、綱吉は淡々と言った。ちなみに家光は、その情報が入ったとたん、イタリアから日本へ急遽帰国している途中だそうだ。九代目と一緒にバカンスとか言ってたがそれどころじゃないと、さっさと機上の人だ。相変わらずの愛妻家だ。
俺を無理やり巻き込んだ父でもやはり、家族は大事なのか・・・。なんだかんだいって家族の心配してないようで、じつはもの凄く心配性だという父を知ったのはイタリアに来てからだった。だがそう綱吉が思うようになったのは、ファミリーを持つようになってからだ。
ともすれば、いろんな思いが交錯して眠れなくなってしまう。楽天的な山本と違い綱吉は考え込んでしまいがちだ。
とにかく明日は朝が早い。自分たちのパソコンをいじりながら気づいたら1時だったので、綱吉と山本は眠りについた。