4年近く・・・本当に長かった。




あの日里を表立って抜けてから・・・。すでに3年・・・。



サクラには悪いことをしたと思っている。あの時・・・。



だけど、これが大隊長の俺に課せられた任務。俺は、一下忍である前に、暗部の幹部だから。



中忍試験の前から課せられていた長期の任務・・・。兄貴から大蛇丸が写輪眼を狙っているという情報を得たがための。



音の里を徹底的に潰すために3代目が命をかけ、俺と師走が受けた任務だったのだから・・・。










長期任務完了!!






扉の向こうには、どうやら暗部に最近入ったのだろう、元下忍仲間のサクラの気配と、その相棒としてというか、同僚として戻ってきたのか、カカシの気配が近づいている・・・。今宵の任務は終わらせてしまったらしい(サクラには早すぎるSランクの特にSSに近いのををわざわざ当てたのに・・・)。なんともへんな時間に帰還してくれた。そう思ったのは、この場にいる3人ともだった。



だから、万一聞かれてもいいように口調も変えて話す。それが幼い時から暗部として動いてきた彼等の常。いつもは、綱手に対して、軽い口調で話すこともある彼等も今回は即座に畏まった口調になる。しかも、わざわざ変化して・・・。






1・2分後、綱手が2人の変わり身の速さに内心あきれていると、執務室の前に、2人の気配がした。だが、先にいる2人に遠慮してか入ってこない。何故なら総隊長の瞬夜がいるからだ。









「・・・・・・数々のご無礼申し訳ございませんでした」


そういって、サスケは目の前にいる綱手とナルトに向かって、頭を下げた。


それは、瞬夜に連行されて里に帰ってきた抜け忍のサスケではなく、暗部大隊長としての雰囲気を伴わせて・・・。





数秒後、綱手がまず声を発した。

「お前が謝ることはないと思うが、朧月。」



そして、瞬夜も返す。



「そうだ。朧月が謝ることはない。4年近く前に朱月よりお前が適任と判断した俺等や三代目の判断で、お前を長期で里外に出した俺等の方が本来なら謝るべきなんだからな。朱月から入ってきた情報とはいえ、お前の表での未来を潰したのは俺等だ。将来有望な忍びとしての未来を潰させてしまったのは俺の責任だ。それに、お前だけじゃない。秋月も表の未来を潰した。ただ、違うのは秋月はお前と違ってもう、表に戻れる可能性は皆無だ。」






そういう、瞬夜の声には悔しさが残っていた。先の火影の末子であり、影で暗部の幹部として動いていたアスマ。極秘に入籍しており、妻の紅は妊娠中だ。生まれ出でる子を見てやれない辛さは、瞬夜も朧月も分かる。

忍びとして成熟しなければいけなかった二人を彼は、年の離れた弟のように接した。表向きはただの狐の器としか見られないが、先の火影の長子で三代目の初孫という立場にいる、甥のナルトも、里最大の反逆者を輩出した一族の生き残りも・・・。そして、彼等以外の月組の幼き子どもたちも・・・。すべて彼が、影に日向に動いてくれてることで自分たちも動いてる。

その彼が選んだ選択は・・・。己の表を死んだことにして、一生裏で生きること・・・。




「秋月が・・・。ということは、表の秋月を看取ったのは、陰ですね。」 有無を言わさない、瞬夜の声音。そして、一瞬間をおいてそれに答える朧月の声。朧月にとってこの情報は今知ったことだが、彼の思いは十分に分かった。その会話は扉を隔てた二人にも聞こていた。

「そういえば、大隊長の一人が長期任務ということで、3年ぐらいいなかったんだよね。ちょうど、木の葉崩しの後から・・・。」

と、カカシがボソッと言った。


「えっ、その間、大隊長の仕事は??」とサクラは聞いた。 大隊長は暗部三役についで事務仕事が多い。それを嫌ってカカシのように、一介の暗部でいる暗部は多い。そして、事務仕事には機密情報がたくさんある。



それに近い仕事を裏でやっている知人をもつカカシにとって、やはり嫌なものは嫌なのである。




例え一介の暗部には知らされない機密ぎりぎりの情報をかの人から得ることが出来るカカシでさえ・・・。




だが、彼がこういうところだけは己に忠実であるために、イルカを含めた月組は動きやすい立場なのだからなんともまぁ、皮肉だ・・・。そう思うのが拷問班隊長のイビキを含めた各特殊班の班長たちの談である。



しかも、カカシにとって一介の暗部という立場は楽なのだ。例え、経験が浅い新人の教育係としての側面があるとしても・・・。
これが参報の長を務めているイルカに至っては仕事が立て込むとカカシにかまう暇さえなくなってしまう。だから、あてつけに近い形で暗部任務のうちSランクを次々にこなしていたのだが・・・。








「前大隊長の秋月と十六夜が半々ずつやってたらしいよ。なんでも、どっかの国の中枢に潜り込んでの破壊工作だって、イルカ先生言ってた。おかげで、ここ最近、俺等逢う時間なかったんだよね。最後の仕上げだ、とか、後始末だとかで。」




さらりとのろけている。実はカカシはイルカが好きである。何故か二人して依存してるというのだから、恋なのだろう・・・。




それを軽く流してサクラはナルトのことを思う。ここ最近中忍として忙しい(実は暗部や参報での、幹部の任務なのだがサクラは知らない)ナルトなので、師匠に無理やり頼んで休みを4回に1回ほど重ねてもらっているが、(ナルトのほうでも実は綱手を脅してなのだが・・・)




そうこう、二人して思いをはせているうちに、綱手の声がした。


「朧月も無事帰還したことだし、瞬夜も少し休暇をとるか?3日ぐらいしかやれないけど」



普段は、暗部に属しているもの自身が強制的に休暇を里長からもぎ取ることが多い。だが、今回は別なのだろう??



「いいのか?? 2日はもぎ取るつもりで予定組んでたけど・・・」


「どうせお前のことだから、お前がやる任務に関しては陰や牙月たちに振り分けてると思うけど、何分Aランクがねぇ・・・。数多いし、あいつ等も大変だから、瞬夜にもそう多くはあげれないけどね。」



「そうですね・・・。火影様、なんなら俺も瞬夜に合わせて3日でいいですよ。イビキんとこで多少休暇もらいましたし・・・。」


と、あくまで短期間の休暇を主張する朧月に火影は多少いらだってきたのか少し強い口調で言った。



「否、それはできないよ。2週間は休みな。ここ3年間、お前は潜入で任務続きだったんだしね。あの二人でさえ数カ月おきに休暇といいつつ来るのにお前は来なかったんだ。火影命令だよ。」




綱手の強い口調ににじみ出る優しさ。それを感じ取ってサスケもしぶしぶ承諾する。




「分かりました。でも、その間の仕事は・・・。」

でも、その間の仕事、正確には任務はある。
だいたい、大隊長が行う任務はAランクやSランクを一晩で十数個、SSランクも行う。その任務量と、各部署の仕事とあいまって、月組の一員ほど過労死する確率が高いと裏で言われている。だから・・・。


そしたら、瞬夜が言った。



「任務じたいは、外にいる2人にやらせればいい。 一応、桜樹単独ではSは任せれないが、相棒は慣れまくってるからな。それに、梟から・・・。カカシさんなら大丈夫でしょう、俺がさまざまな案件やってる間邪魔されるより、任務行っててくれた方がたまった仕事が片付くし・・・だと」


参報部の梟(暗部名 十六夜)こと、イルカは、彼等が下忍になったころからカカシと付き合っているが・・・。どうも、最近、音潰しや暁の処理等でカカシに割く時間が減り、変なとこで纏わりつくために、梟にしては、仕事が遅いといううわさが月組を中心に回っていた。



カカシとイルカが付き合っているのを知る、参報や月組の一員にはあきらめ半分もあるが、いくらエリート上忍で暗部でも、参報の長の仕事が滞ったら困るという声が上がっていた。



実際、期限厳守の書類が数十分遅れて、あわや任務失敗ということがここ2・3週間中頻発し、そのフォローに追われたシカマルやナルト、それに、サクラまでもキレタのだ。


「珍しいな・・・。俺等には温厚で心配性の梟が・・・。そんなにキレルなんて・・・」
と、すこし執務室でサスケがとぼけると、扉の向こうからガコンという音とともにサクラのドスの聞いた声がした。



「ここんとこ、プライベートのせいで遅くなるから、納期に間に合わないって・・・。梟言ってたけど、総隊長まで回ってるとなると・・・。あれ、相当キレてるよ。銀狼、梟といちゃつくのもいいけど、参報って、知ってるとおり時間厳守なのよ!! おかげでこっちまでとばっちり来るじゃない」









その後、Aランクを20個以上押しつけられた桜樹と銀狼がへとへとになっている翌日の明け方頃、


朧月の帰還祝いの宴会が、前夜から行われ、月組と特別上忍のサポート隊が少し酔いながら暗部の任務を朝からはじめようとしていたそうだ・・・。



ようやっと、サスケ帰還編です。まぁ、報告編といった方が自然ですが・・・。実は朝葉、このデータを吹っ飛ばしてなかなか思い出せなかったんですよ。
でも、ようやっと出せたぁ・・・。BL要素・・・。実はカカイルだったんです。まぁ、他にも出す気が起きたら出しますし・・・。実はナルサスでもあるんです。このシリーズ。まぁ、お子様ズは精神的依存が高いという意味なので、肉体的関係はないんですが・・・。だって、それがあったら、ナルサクは出せないですもん。やはり、朝葉の脳内はナルサクが基本なんで・・・。 



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