表と裏
「さっくらちゃ〜ん、またあしたぁ〜」
アカデミー前にそんな声がこだまする。
今期下忍7班でどたばた忍者の異名をとるナルトの声だ。
その声を聞きながら俺は意識を切り替える。
兄に対して復讐に燃え、ナルトを「ウスラトンカチ」と呼ぶ優等生で協調性が足りない1匹狼のうちはサスケから、暗部の大隊長の1人朧月としての自分へと。
サクラが見えなくなり、カカシも報告のためにいなくなってから俺も意識を変える。
暗部総隊長瞬夜としての自分へと。
担当上忍はいつになったら知るのだろう。己の姿を・・・。
同期のあの子は知ってしまったら怒るだろうか。拒絶するだろうか。 それを考えながら俺らは敵を屠る。
それが今宵の任務(仕事)だから。今日もまたそんなことを思ってしまった。
任務後にそれをナルトに言うと・・・
「裏があってこそ忍びだ。俺らは身を偽る理由がある。それでも火の国を、木の葉を裏から支ていく。そんな存在だ。それにたまたま俺らは同期よりも力を持っているだけだしな・・・。」
俺より2年早く暗部にいたナルト。昼間に見せるドジッぷりが演技でも、暗部総隊長瞬夜として動くナルトは俺よりかずいぶん大人だと思う。
「忍びは裏を読めって言うけどナルトって裏ないよね・・・。羨ましいけどさ」 担当上忍と同期の子が言う。
それを俺は 「そんな風に見えるってば?」と返しつつ内心あきれる。
木の葉の中でそんなに表裏ない人間だと思われていることに驚いた。
ふとサスケを見ると苦笑している。 以心伝心の術でこっそりサスケを確かめると
「それはお前が演技派ということじゃないか。木の葉の正規部隊しかも、一応エリート上忍のあいつを堂々とだましてるんだから」 と返ってきた。
少し喜ぶべきなのかどうか迷ったが、それだけ、自分の表が受け入れられているんだなと思った。
「「それがいいのかどうかは分からないけど」」
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