ひさびさにあいつにあう。

上司と部下、同僚、暗部仲間、そして…

いろんな言葉があるけどたぶん、上司と部下が合うと思う。いろんな意味で。


あいつが知ったら怒るのかな。
それとも、仕方ないといって笑うのか。
腐ってもあいつは暗部だ。俺以上に経歴は長い。
ただ事務仕事を長年敬遠してきただけで、実力は中隊長でもトップクラスを維持している。
でも、あいつはあれ以降敬遠してきた。
自分の闇を見ることと里の闇の闇を見ることを。
敬遠してきた。
なまじ里の闇に近い部分に居続けて、精神の頼みの綱をあいつは、あの時に失ってしまった。
その綱の代わりにあるものをあいつは今持っている。


風猛る時 6


隣室で寝ていたはずの気配が変わった。カカシが起きたのだ。それをサスケたちは敏感に感じ取った。
「月組であることも、やはり今回の件は話さなければいけないだろうな。問題は、カカシさんが俺にさらに過保護にならなければいいんですが」
 そう、イルカは口にした。月組の憂慮事項。それは、イルカとカカシの関係だった。
なにしろ、カカシの夜の任務がない時は、それはそれはイルカをはじめ被害が多く、イルカの参報業務にも影響がでるのだ。カカシとイルカが付き合いだしたのはサスケが音に任務で去ってから。
前々からナルトたちの前担当中忍と現担当上忍。ナルトたちが下忍になって以降時々情報交換をしていたのだがいつの間にかお互いのことが気になり自然とそういう関係になったのはサスケが任務で音に向かって以来。それ以降、イルカの参報の長としての業務が時たま滞りだした。
最初の頃はイルカが月組達にも悟らせないようにしていたので影響がほとんどなかったのだが、次第に影響が出始め、総隊長命で双方に任務地獄(イルカは参報任務の肩代わり分&月組全員分の事務仕事1週間分(超膨大な量)をやるはめになり、カカシは2か月上忍任務と並行してSSSとSSランクを行うはめになった。しかも2人ともその分の給料は無給とは言わないが通常の5%しか無かった。)になった。だが数カ月単位で繰り返すため、結局里の赤字解消ぐらいにしかなっていない。しかも、年々ひどくなるために、暗部上層部および参報部双方にとって頭がいたいじこうだったりする。
夜は夜であーなのだが、それ以外の過保護ぶりもまた有名なのだ。そのため、暗部としてイルカが出るときは細心の工作をして任務に出ている。なぜなら、参報の長と知って以来夜にイルカに策を練ってもらおうとするととことん邪魔するは暗部任務は入れてくれるなという要望は出すはだった。

激闘の末けがをしてしまったサスケだが暗部用の治療の成果ベッドから起き上がり歩けるようにはなっていた。そのサスケに「行こう」とイルカは声をかけた。
「部屋の結界は俺がする。一時に多量な情報を与えるわけにいかないだろう。」
「よろしくお願いします。秋月。」
秋月(アスマ)の申し出にお礼を言い、イルカはサスケとともに一応ノックして隣室に入った。ベッドでぼーっと天井を見上げていたカカシは2人を見て笑った。
カカシのそばに2人が近寄ったときだった。
「よかった。お前のけが大したことなくて。でなきゃ、あいつに夢で怒られる。」
サスケは一瞬で誰の事を言っているのか分かった。 20年近く前殉職した一族の人間、オビト。そして、イタチが暗部の命で監視していたシスイの長兄。話でしか知らないうちはとカカシの確執の原点ともいえる人物だ。

「カカシさん、やはり気がついたようですね。出したヒントも理解されてしまったのでは、隠すこともできませんし」
そう言いつつ、結界が張られて居る事をイルカは確認した。秋月の結界は、三役を除けば月組随一だ。「話さなければいけないことがあります。俺も、彼も。今から話すことは、あなたのパートナーである桜樹ことサクラにはいう必要はありません。必要な時に彼女に伝えます。」この場での上位者としての空気を無理矢理醸し出してイルカは言った。人のことを聞く態勢をとった。とはいってもベッドから身体を起こしただけだが。彼の右目は久々にみる真剣な目だった。「もう気づいているでしょう。俺たちが、暗部だってことを」そうイルカは切り出した。
「暗部じゃなきゃここの棟は無理でしょ。この景色場所は少し違えど何度も見てるし、それに見舞客だって入るのも暗部オンリーな場所なんだから。」
そう言ってカカシは窓の外を見た。カカシにとっても彼らにとってもここは正念場だ。今まで避けていた真の里の闇を今から直視しなければいけないのだから。
「カカシ。謝らんといかんことがある。俺、7班になる前から暗部だった。だけど、あいつらの前じゃ(サクラの前じゃ←サスケの7藩時代にはサクラは知らない)…」
うつむきながら、サスケは言い出した.
「なーに言ってるの。誰が最初の暗部任務につきあったの、朧月。それに、暗部であることは一般の人間でさえ知らないし、暗部同士だって、暗部名がある以上、正体知ってるのは少ない。しかも、サスケに関してはイルカ先生がヒントを出してたからむしろ納得でしょ。実働部隊で動いているのは知らなくても、忍び自体社会の暗部な部所だから驚かないし。暗部経験はあるから暗部のこともそれなりに知ってるし。暗部はその正体を知られてはならない。木の葉の忍びでさえ、力のないものが知ったら、記憶を操作だ。それを知らずして暗部の中隊長はやれないよ。いくらそれより上になることを逃げていた俺でもね。俺は、里とうちはの確執も知ってたし・・・。俺は俺で、これのせいでうちはから狙われてた。だから、サスケ、お前が隠していたことは別に謝らなくていい。そうでしょ?」
そう言ったカカシは安堵感が漂っていた。
「先輩に多少心配させるのが後輩なんだから。って今更上司に後輩面させるのもあれだとは思うけど。俺はできることなら里の闇は直視したくない、今でも。幼いころから見てるから、余計にね。里は優秀な奴ほどこき使うからね。そして親兄弟が問題を抱えている者ほど里への忠誠を試す。俺もそうだった。師匠はそういう風にみなかったけれど、当時の上層部の人間の多くは危険分子の1人として見ていた。そしてそういう奴らほど忠誠心を試すために、暗部に入れる。まぁ、総隊長が変わってからその傾向はないけど…。彼も難儀だとは思うけどね。普段隠してるのに…。少し出しちゃうからわかったけど俺は何もあいつには言っていないし。知ってるのばれたら、あと怖いし。」
そうこともなげにいうカカシにイルカは青ざめた。未だに総隊長の正体は知らないはずだ。
「ってカカシさん、さらりと言いましたが、なぜ総隊長の正体知ってるんですか?? 」
カカシの発言に少し詰まりながらイルカは言う。
「そりゃ、あいつ感情抑えるの少し苦手だろ。ちょびっと覚えのある殺気たまに流してりゃ気づくよ。こっちだって長年最前線だ。とは言っても気づいたのはお前が帰還の挨拶をしてたときだ。俺がチャクラ感知に長けてるのを知ってるだろ、お前は」
そう言いつつカカシはサスケの顔をみた。久々に任務外で見せる顔。だけど真剣さと想いは顔と目にのせて。
「あいつはものすごく重いもの背負っている。それに気付くのが遅すぎて悪かったと伝えてくれ。」
そう言ったカカシの顔は怪我のせいなのか苦しそうになりながらも、頭をさげた。





ようやっとできました。6話目。決戦後のこの会話のために何か月…。カカシは気づいています。だけど、言いませんでした。重みを知っているが故に避けてきた里の中枢を避けれなくなってきていることをなんとなくは気づいてはいても、心はずっと避けたかった思いでいっぱいなんです。なにしろ一番近場で闇を見てその闇を拒絶してしまったから。
もしカカシが数年前に気づいていたとしても、里の状況は
変わらないでしょう。
この話のモノローグはカカシが中心でした。

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