そのことを知ったときもう、流れは止めることはできなかった。自分にとっては母方の叔父にあたる人の行動。その人の行動を止めるには父は遅すぎた。ただでさえ父は一族をまとめる立場に居た。だが、里に常に監視され、鬱屈がたまっていた一族のとった行動。それが、一族を滅亡に追い込むと知らずに…。

叛逆(1)〜うちは一族……〜

 イタチとサスケがフガクに夜半遅くに呼ばれた。その日、一族の集会があった。イタチは8歳。下忍だった。そして、サスケは4歳。アカデミーにも入学していなかった。2人はまだ幼いということもあって実父から一族の集会には出なくてもいいといわれていた。その日はいつもよりフガクの帰りが遅かった。普段との違いはそこしかなかった。イタチは明日は下忍任務が休みで、久々にサスケと遊べると思っていた夜だった。

イタチ達が父の書斎に入ると、フガクは丁寧に結界を張った。別の部屋で眠っている母ミコトにも聞かれたくないことなのだろうと思った。

フガクの書斎に入って15分。なぜ父に呼ばれたのか分からず、2人は父が話し始めるのを待った。

「イタチ、サスケ、お前に話しておきたいことがある。」

そう言って、フガクが話したのは、幼いサスケにも分かるように難しいことはかなり省いてはあったが、一族の歴史と木の葉の里に対する軋轢だった。

 木の葉の里ができたときに、主権争いに敗れたうちは一族は里の中枢から時を追って外されるようになった。忍界大戦でかつては初代火影と二分する一族だったが故のプライド。里一番であるというプライド。そしてマダラに反発し、争いに疲れ一時の平安を求めたことに対する者への反発。
その心が里への叛逆につながるのは、仕方ないことだったのかもしれない。負の遺産として本当は折り合いをつけていかないといけなかった。でも、感情が許さなかった。
4年前、里の守り神たる九尾の事件のこともある。特殊な瞳術である車輪眼もちは神の領域を侵すことも可能だった。
九尾の神が里を襲ったのはうちはがやったこと、車輪眼のことを知る里上層部が疑いをかけるのも事実だった。だが、当時、当主の座を継いだばかりのフガクは長老たちの言い分を信じ、「九尾の神が里を襲ったのはうちはのせいではない。」そう公式の場で言い続けたフガクやうちは一族の発言は里の監視をさらに強め、そして、一族はさらに鬱屈していった。
そして今宵フガクに一族の長老が話した事実。それは、
4年前の一族の里に対する叛逆行為。それは妻の弟らを首謀者として、神を怒らせたのだ。ことが成功すれば里の主導権を握れるそう踏んで。それが一族を里の片隅に追いやる結果となった。主導権を握ろうとして失敗し、監視が強まる。その悪循環。その愚かさに気付かない一族が自分たちの陰謀のさらなる深みにフガクを引き入れようとするものだった。

だが、フガクは知っていた。うちはの表沙汰にならない歴史を。木葉神社の神官の家系としての一面を知っていた。そして、3代目との秘密裏の契約で暗部でもあったフガクは、即座に火影にうちはの情報を流した。その行為は一族の当主よりも里の一員を優先したものであった。暗部とは里・火影に忠誠を誓い、里第1に考える者が多い。特に、秘密裏に動く暗部の中には。

これらのことを話し終えた後、フガクはイタチ・サスケの眼をしっかりと見据えた。

「イタチ、サスケ、お前たちには一族よりも里を優先してほしい。父さんの知り合いに暗部がいる。その暗部に、鍛えてもらいなさい。そして暗部に入り、一族を欺き、里とのパイプ役となり、さらに父さんの代わりに里を、あの子を護ってほしい。」

父が自分の思いをこんなに吐露したのは覚えている限り数度しかなかった。イタチがそう思うのだからサスケはもっと少ない。だが、このことが人生を変えた。2人はそう思っている。 

今でも覚えている。父がその話をした時の表情を…。そして、今宵一族の最後の陰謀が始まる。

それは一族が秘密裏に他里と交渉し、里に多数の忍びが攻めてくること。そして、それに相対する木の葉の忍びを減らすこと。その上で、木の葉の中枢に入る足がかりを得ること。ここまで行けばこの陰謀は成功したことになる。だからこそ必要なのだ。2000人強の忍びに木の葉の里が襲われることが。

そう考えるのなら、こっちも、里の存亡をかける。里最大の叛逆者を処刑し、忍びの世界を安定させるために。それが、うちはでありながら一族を裏切り里に忠誠を誓った忍びらの選んだ道であった。そのためにイタチは忍びの世界で忘れられた存在であるマダラとも接触したのだ。

木の葉暗部最強のメンバーをいつしか『月組』と呼ぶようになった。だが、その『月組』にうちは一族は自分たちの裏切り者が存在することに気付かなかった。それが、分かれ目だったといえる。

サスケが諜報部から、敵襲襲来の情報を得たとき、まだアカデミーの午前の授業中だった。アカデミーの低学年では、基礎教育といって、読み書き計算が重視される。木の葉の里の家の多くは子どもをアカデミーに通わせ、忍びになってほしいと望む。一応、教師の言うことが理解でき、忍びになりたいと思うものなら、生徒の下限は存在しないのだが、いくら早熟でも4歳以降の生徒しか採らないことになっているのは暗黙の了解だ。

その年、サスケは7歳でアカデミーに入学した。里が平和になった時期だからこそ、7歳という入学年齢はそう遅くない。だが、暗部では小隊長を任されていた。暗部での呼び出しは基本的に再優先。だが、今日に限ってヒナタも授業は本体で出ていた。しかもくのいちクラスとの合同授業。おりしも、授業は始まったばかり。これがアカデミーの付属演習場での実践式訓練だったら即座に影分身に後を任せて暗部の待機室に向かうところだが、よりにもよって、木の葉の歴史の時間。しかも、担当は表向き中忍だが、暗部中隊長の麻生だった。サスケ自身は麻生の表裏を知ってはいるが麻生は知らない。だが、暗部に召集がかかっているのは麻生もサスケたちも同じだった。どうにかして、召集にはいかなければいけない。だが、麻生は根がまじめなので授業放棄もできなかった。麻生自身もやきもきしていたのだ。アカデミーを中心に舞う任務呼び出し鳥の存在に…。

同じころ、中忍だが、受付業務をしていたイルカはこっそりと、アカデミーの時間割を見た。忍として正規に任務に就いているものの多くや暗部には今回の招集の指示がいきわたっているが

今日、本体で表に出ているのはサスケとヒナタ。2人は本日の旧家の護衛当番だった。そして、暗部中隊長の麻生も授業から抜けられないのだろう。他はきな臭い情報が入った時点で、表は影分身に任せて暗部のそれぞれの部隊で迎撃準備をしている。イルカ自身も、暗部総副隊長という立場についている。そして総隊長は数週間前に代替わりしたところだった。午前中という時間帯で里の長老会議中という時間帯が悪かったが、大急ぎでイルカは火影のところに向かった。もちろん、暗部の姿に変化した姿である。 


うちは一族・・・。
いつの間にか本誌ではサスケがとんでもない(思ってもない方向に)成長をしてしまい、
中忍試験までの性格が好きだぁ・・・なんて言ってられなくなりました(笑)。
ちょっと悲しいですね

08 06 14UP

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